こまちのおはなし

あかり小町とみどり小町はお弁当の国のお姫様
お弁当の国のお城はお弁当工場。妹のみどり小町が美味しいお野菜やお肉、お魚を探してきて、お姉さんのあかり小町がその食材を使ってお弁当を作ります。
2人で近くのお宅や、学校などにお弁当をお届けしています。ある日、美味しいお弁当をもっとたくさんの人に食べてもらいたいと思い、あかり小町とみどり小町はお母さんのいるトーキョーのタチカワシティでお弁当屋さんを始めることにしました。
あかり小町とみどり小町はタチカワシティに到着するとまず、ビルや人や物の多さに驚きました。のどかなお弁当の国とは違ってなんだかとても不安になりました。
お母さんの家までの道がわからず困っていると通りすがりのお兄さんが優しく道案内をしてくれました。
切符の買い方がわからなかったら、後ろのお客さんが教えてくれました。
おうちが恋しくなって泣いていたら、レストランの奥さんがとてもやさしくしてくれて安心しました。
タチカワシティやタマエリアの皆様は本当に良い人ばかりで、右も左もわからないこまち達に本当に親切にしてくれました。

いろんな方の協力でタマエリアを観光したり、ホームスティさせてもらったりして1週間が経つころ、気づくことがありました。

お弁当の国はとっても小さい国なので近くの畑や牧場の食材を使うことは当たり前です。しかし、とっても文化や流通の進んだトーキョーでは、隣に美味しいお野菜を作る畑があってもお母さんが夕飯の支度で使ったり、スーパーに並ぶのは遠い国のお野菜だったりします。
採れたて、新鮮で美味しいお野菜が隣にあるのに、わざわざ採れてから何日もたってやってきた遠いところのお野菜ばかり使うのって・・・
なにかちょっと違う気がしました。
遠いところのお野菜が悪いわけではないけれど、せっかく近くで採れるものがあるならその地域のお野菜を使ってお料理した方がいいのに・・・
そこであかり小町とみどり小町は地元のお野菜を使ったお弁当を作ることにしました。
近くの畑で美味しいお野菜を作っている農家さんに協力してもらって、この地域でこの時採れる美味しいお野菜をたくさんつかってお弁当作りを始めました。

みどり小町はいろいろな農家さんや地元野菜を売っているお店に行って美味しいお野菜を探します。あかり小町はそれらを使って美味しいお弁当を作ります。
お世話になっているタチカワシティ、タマエリアの皆さんに喜んでいただけるように毎日一生懸命頑張ります。
右も左もわからなくて困っていた時に優しく声を掛けてくれた方、お弁当屋さん始めるよと言ったら、「お客さん第一号は僕だね!」と言って下さった方、見ず知らずのこまち達にお野菜を売ってくれた農園さん、お引越しのことで相談したら自分のことのように一生懸命おうちを探してくれた不動産屋さん・・・
助けてくれたり応援してくれる方々への恩返しの気持ちも込めて2人力を合わせて美味しいお弁当を作ります。

こまちの台所は今日も大忙し!
「とっても美味しかったからまた明日もお願いね!」
「毎日届けてくれて助かるよ!」
そんな嬉しい声に励まされながらこまち達は今日もタチカワシティのどこかでお弁当を作っています。

おしまい

こまちのおはなし
立川市懐石仕出し:りんと